くるっとちゃきちゃき

一度だって交わることのないこの世界。

私の話

特別に何かを話そうとすると、浮かぶのは悲しくてつらい話ばかり。

楽しいことや嬉しいこともあったはずなのに。どうして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちは母子家庭。市の補助で、小中と給食がタダだった。両親揃っている家庭の子供に、「タダでメシを食うなんてせこい」と罵声を浴びせられたこと。

周りに母子家庭はいたけど、大抵が祖母などが助けてくれていたり、父親から養育費を貰っていたけど、うちはそれもなく。

高校を選ぶ段階では、先生から勧められた進学校を断った。選ぶことなんて出来なかった。これ以上、苦しい思いをさせることなんて、出来なかった。それを覆すだけの努力も出来なかった。

 

中学生の頃、雨の日。友人とバスと地下鉄に乗って少し遠出をした。帰り、雨が激しくなり、バスが運休になった。友人は親が迎えに来てくれたけど、うちには車がなく、でもそれを言うことも出来ず、駅から30分、雨に打たれ泣きながら歩いた。

 

母親は保険会社の営業として勤めている。今の会社に入社して、上司から、「保険会社の営業は大変だ」と言った類の話を聞かされる。そんなことは私の方が知っている。挙げ句の果てには、みんなまとめて「保険の営業だけはやりたくない」と。そのやりたくない仕事で稼いだお金で私育ってきたんだけどな。

 

生まれてこのかた、自分の部屋を持ったことがない。欲しいと思っているけど、欲しがってはいけない。迷惑を掛けてしまう。苦しめてしまう。

だから言わない。これから先もずっと。

私のワガママは私だけが我慢すれば、みんな幸せでいられるんだもん。

だから言わない。言えない。何も。

 

 

 

 

不幸だったわけじゃない。幸せだったと思う。

なのにどうして、今が生きてきて一番につらいのだろう。苦しいのだろう。

夢を見過ぎたせいなんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

初恋は、足が速くて猿みたいな子だった。両思いだったけれど、友達も同じ子が好きで私からは何も言わずにいた。

 

初めてのキスは15歳。寝ている間にバツゲームで。ファーストキスくらい、自分でタイミング見つけたかったな。

 

初めて体を重ねたのは17歳。これは合意の上で、望んでいたはずなのに、痛くて辛かった。何が気持ちいいかなんて全然分からなかった。大好きだった人なのに。帰宅後、下着を脱いだら、月に一回のそれとは明らかに違う真っ赤な血が付いていた。必死で洗った。

 

 

苦しいの、いつだって、今だって、私だけなんだなぁ。

きっとこれからも幸せに生きていくんだろうな。嘘つき。宗教にまみれてどっかいっちゃえ。ばーか。