April
先週、桜を見に行ったけれど、まだ早かった。
沢山の家族連れと恋人同士が集う場所へ行った。きっとここにいる殆どの人が、この休日を心から楽しんでいる。間も無く訪れる桜の満開と、待ち焦がれた春の香りを思う存分に感じている。
穴が空いてしまった私の心には、そんな四季の情緒さえもがうまく感じ取れなかった。
これも全て代償なのかと、目の奥に溜まるそれを押し込める。
何もかも忘れられず、何もかも捨てきれない。
そんな惨めで弱い自分が可哀想で、大嫌い。
世界選手権が終わりました。
女子は、枠としては2枠となりましたが、それでも初出場の2名、また急遽出場の理華ちゃんによって掴み取った結果です。恥じることはありません。ただ、全日本が怖くて怖くて震える。怖いなぁ。怖い。
男子は、もう言葉はいらないかな。
ゆづるくん、昌磨、素晴らしかった!幸せでした。ありがとう。
最後だと言い聞かせて。最後まで言い聞かせて。涙よ止まれ、最後に笑顔を覚えておくため。
涙よ止まれ。涙よ止まれ。
思えば思うほど、流れと落ちるそれ。
苦しかった分の、悲しかった分の、幸せだった分の、嬉しかった分の涙。
桜は満開を迎えたけれど、毎日のように降り続く雨。この雨が終わるから、まだ桜は咲いているのかな。それとも、新緑の季節へ向けて準備を始めるのかな。その頃、私は泣いていないかな。大切な人は、泣いていないかな。
なんだかんだ離れて欲しくなくて、離れられないのは弱い私のほうなんだろう。
ごめんね。
ごめんね。
ずっと一緒にいられるなんて、思ってないけど、本当に終わりが来るとも、思ってもいなかったんだよ。
公園の角の桜の木が、綺麗だねって貴方に言いたくなる。あぁそうか。もう会えないんだった。
貴方を想うたびに、心が苦しくなるよ。
貴方を思い出すたびに心が割れそうになるんだよ。この街のどこかで貴方は息をしている。それが嬉しいのか、悲しいのか涙が出るよ。どんなに悩んでも答えはひとつ。
あんなに弱い雨で桜は 散ってしまうんだね。
濡れた花びら手に取って、ごめんね。ごめんね。
それでもいつか、歩き出して。
また同じように、誰かを好きになるのかな。
もう少し、ここにいるよ。
風の強い日。
どうか、ゆっくり眠れますように。